「おはよう、黄泉。うん‥今日もナイスタイミングだね。」


「おや、なんですか?そんなにボクを見つめて‥照れます。」

十五歳の男が、恥じらう乙女のような赤面をされても‥正直ドン引きするだけだ。気分が悪くなったのか、青ざめる恭子を心配そうに見つめる月人。


「大丈夫ですか、恭子さん。」

「平気。真田、悪いけど‥ちょっと先に行かせてくれない?」

「はい、すぐに追いつきます!安心して下さい!!」


出来れば一生追いつかないでくれ‥と恭子は思いながら、歩くスピードを上げて先に行く。


恭子の背中を見送る月人。恭子が先に行ってしまったので、追おうとした黄泉の後頭部に‥華麗な跳び蹴りが命中した。


「おうっ!!?」


容赦ない一撃に、近くの民家の壁に頭を打ちつける黄泉。