「いってぇえぇぇ!!!!」
涙ぐみながら頭を抑える
雄介はバカとしか思えない。
「お前、最近綾香が元気ないの
わかってないだろ?」
雄介は"えっ…!?"って
驚いた顔してる。
鈍いにも程がある。
「お前が手も繋がないから
不安になってんだよ、バカ。」
何で俺がこんなこと
言わなきゃなんねぇの…。
「今日の帰り、手繋げよ。
繋がなかったらお前の大好きな
綾香に一週間会わせない。
わかったな、チビ?」
呆然とする雄介を
睨みつけながら
俺は屋上から出た。
あいつには、これぐらい
しないとダメなんだよ。
これも愛だよ、愛。



