最カノ・アスカ様。

「塚ァ、あなたの方が、酷いケガだよォ」


オレが目覚めたことに安心したのか、右側にいる彼女も気さくに喋り始めた。


「あー……すんません。あなたにも迷惑かけちまって……」

「あはッ全然、いいよォ」


ちょっと。

なにこの人。

超いい人じゃん。


オレは今朝の占いを思い出していた。


『運命の出会い、なぁんてあるかも!?』


……案外当たってんじゃん、占い。


「先生、もぉすぐ来ると思うよ」


鈴のような可愛らしい声を聞きながら、見えない彼女を想像していた。


黒髪をおさげにした三つ編み。

白い肌に、薄ピンクの頬。

小柄で、細い手足。


……モロオレの好み入りまくりの彼女が、完成した。


脳内で。


「あの、救急車呼んでくれてマジでありがとうございました。あと、付き添いまで……」

「気にしないでいいよォ塚ァ、救急車呼んでないしィ」


…………え?

どゆこと?