──気がつくとそこは、先程のフライパンとは打って変わって、穏やかな場所だった。
フワフワした温かいものに体を優しく包まれて、消毒液のような独特の匂いが鼻をくすぐる。
まだ体中がジリジリ痛むけど。
てか、全身痛むけど。
あぁオレ、生きてるんだ……。
「ん……」
瞼を開く。
薄らと開けた視界には真っ白い天井が広がり、ここが病院であることを悟った。
が、ここで問題発生。
首が動かない。
痛てぇ。
──その時。
「あッ起きたァ」
「!?!?」
誰だ!?
反射的に目線だけを右側に移すが、右目を白い布で覆われているせいでそこにいるであろう人物の姿が見えない。
てかこの声、どこかで……。
「心配したよォ大丈夫ゥ」
……あ。
あれだ。
あれ。
事故現場にいた女の人の声と同じだ。
そう判断し、口を開いた。
「大丈夫ッス……それより、オレがぶつかった人は……」
「それなら、安心してェ元気だよッケガも、してないしィ」
「ケガも?よかった……」
オレは安堵の息をつき、本日初の笑顔を零した。
──オレはバカだった。
普通の人間が、チャリと衝突してケガ一つなくいられるなんて、ありえないのに。
そんなことにも気づかず、『後で謝りに行かねぇと』なんて呑気(のんき)に構えていたんだ。
フワフワした温かいものに体を優しく包まれて、消毒液のような独特の匂いが鼻をくすぐる。
まだ体中がジリジリ痛むけど。
てか、全身痛むけど。
あぁオレ、生きてるんだ……。
「ん……」
瞼を開く。
薄らと開けた視界には真っ白い天井が広がり、ここが病院であることを悟った。
が、ここで問題発生。
首が動かない。
痛てぇ。
──その時。
「あッ起きたァ」
「!?!?」
誰だ!?
反射的に目線だけを右側に移すが、右目を白い布で覆われているせいでそこにいるであろう人物の姿が見えない。
てかこの声、どこかで……。
「心配したよォ大丈夫ゥ」
……あ。
あれだ。
あれ。
事故現場にいた女の人の声と同じだ。
そう判断し、口を開いた。
「大丈夫ッス……それより、オレがぶつかった人は……」
「それなら、安心してェ元気だよッケガも、してないしィ」
「ケガも?よかった……」
オレは安堵の息をつき、本日初の笑顔を零した。
──オレはバカだった。
普通の人間が、チャリと衝突してケガ一つなくいられるなんて、ありえないのに。
そんなことにも気づかず、『後で謝りに行かねぇと』なんて呑気(のんき)に構えていたんだ。

