最カノ・アスカ様。

「──……と……だ……大丈……で……か……!?」


……知らない女の声が聞こえる。


体全体がジュワジュワのフライパンに突っ込まれたように熱く、激しい痛みを訴えてる。


あまりのことに、唸り声も出ない程だ。


あぁ、オレ……チャリで何かにぶつかったんだ。


一瞬の出来事だったけど、あれはたぶん、人だった。


あっちは大丈夫なのか?


ヤベェ、オレもついに加害者かよ……。


やっぱチャリは正しく漕がねぇと。


なんて、今さら反省しても遅いけど……。


今にも気絶してしまう寸前のところで、意識を留めている状態が続いた。


「──……や……あ……イケメン……」


──ん?


なんか今、単語が……。


「──……あ……とりあ……救急車……!」


そうそう、早く救急車を……。


てかさっきから、同じ女の声ばっか聞こえて……えッ!?


突然、体中に言葉にできないような衝撃が電気ショックのように走った。