私はコクコク頷いた。

私こそ,貴方がいないとダメなんだよ??

自分から離れたくせに,あの後世界がモノクロになった。

ご飯がおいしくなくなった。

原因は分かっていたけど,気付かないフリをした。

ずっと心の中には貴方がいたけど,見て見ぬフリをしていたの。

…でもいつもギリギリだった。

私の心は悲鳴を上げていた。

あの時自分から貴方の手を離してしまった事を,ずーっと後悔してたの。

言わなくちゃ。

今,言わなくちゃ…!!

「わ,わた…しも…」

必死に出した声は震えてしまった。

微かにピクッと涼の肩が動いたけど,何も言わずにいる。

多分,続きを言うのを待っていてくれるんだと思う。

深く息を吸った。

「私も,貴方の側にいたい。」

そう言って涼の背中に腕を回した。