ついに今日はクリスマス。

雪の予報が出る中,私は人数合わせでクリスマスパーティー…と称した合コンに来ていた。

頑なに拒否していた合コンに来た事に,ダメ元で誘ったらしい友達はおどろいていたけど。

一歩踏み出さなくちゃ。

忘れなくちゃ。

と思ったんだ。


―――…‥


「クリスマスなのに寂しい独り者の俺達に…」

「「「かんぱーい☆」」」

パーティーは盛り上がっている。

私も久しぶりに大人数でお酒を飲んで楽しめてる…

と思ってた。

でも,ダメだった。

誰と話していても

無理してお酒を飲んでも

ダメだった。

思い出すのは

目に浮かぶのは彼の顔。

やっぱ…

ダメだ…

荷物を手にソッと立ち上がり,幹事をしている友達に近づく。

ほろ酔いの幹事が気がついて振り返ってくれた。

申し訳ないと思いつつ,ニコニコしているその子に

「先に出させてもらうね。ごめん。」

と言うと,笑顔が緩み真剣な顔で私を見据えた。

やはり気を悪くさせてしまったかしら…

そう思った瞬間,その子に笑顔が戻る。

すると,小さくメリークリスマスと呟いて送り出してくれた。

彼女の気遣いに涙が出そうになりながら,メリークリスマスと言い返してお店を出た。