「なぁ。」

「あん?」

「おすってさ、どうよ?」

「何だよ、藪から棒に。」

「いや、響き的にどうかなってさ。」

「響き的に?あ〜、かっこいい感じ?」

「お〜、確かにかっこいい感じだな。他には?」

「他に?ん〜、お前みたいなもやしっこはダメだろ。」

「もやしは好きじゃねぇよ。」

「いや、違うよ。」

「じゃ何だよ。もやしっこって。」

「お前、細いだろ?そういうのをもやしっこって言うんだよ。」

「ほー、俺はもやしか。」

「いや、あぁ、そうだな。お前もやしだ。」

「おう、俺はもやしだ。もやしにはおすはダメなのか?」

「うぉ、戻ってきた。そうだな、似合わないな。」

「似合わないか。確かに大体はごつい奴らだよな。」

「ごついな。プロレスとかそんな奴らだな。」

「プロレス?…あぁ、総合格闘技って奴だな。」

「ん?プロレスと総合格闘技は違うだろ?」

「ごついぞ?」

「あぁ確かにごついが違うだろ?」

「違うのか。だがおすも違うんじゃないか?」

「違うか?似合うだろ?」

「違うだろ、プロレスとおすだぞ?」

「じゃ何なら似合うんだ?」

「そりゃ、お前。アレだろ。」

「何だよ。」

「…ピーター・アーツ。」

「個人なのか?似合うのはアーツだけ?」

「そうだな。よく聞くし。」

「いや、他にもいるだろー。」

「い、いや、いないな。」

「いないのか?」


「……。」

「いないのか?」

「いるかも。」

「ま、何にせよ、うちらに関係ないけどなー。」