「珍しいじゃん?優里伽の腕なの?」

昼休み、明恵がお弁当箱を覗き込む。

「うちのママが作ったの!」

何だか、小学生の子供みたいに今の私は嬉しい顔してる。

中には、おにぎりが小さく2つ入っていた。

ハンバーグ、卵焼き、きんぴらごぼうが色とりどりで綺麗に並んでいる。

「美味しそうじゃない!優里伽のママなんでも出来るんだ!」

「えっ!?どういう意味!」


罰悪そうに、明恵は言った。


「うーん!!セレブってオーラがあったからさっ!」


明恵は本当、正直!

そして、前のママだったら、私も納得してたかもしれない。


「ママ、料理上手いのよ!ただ作らなかっただけで。」


ママをかばう私がいたんだ。

そして、おにぎりを食べる!

「…!!…」

しょっぱくない!美味しい。

まん丸の小さなおにぎり!!

「ふ…っふぇ〜ん!」


「へっ?優里伽…!?なに泣いてんのよ!」


涙が出るとは、思わなかった。

初めてのママのお弁当は、愛情がたっぷり詰まっていて。


嬉しくて…美味しくて!


ママの子供で良かったと思った。


私にとって世界に1人のママ。

来年も…海外で楽しく満喫しようね!


私…ママがパパ以外の人を愛する事が…。


―――淋しかったんだ!


誰かに取られそうで。


―――――淋しかったの。