翌朝には、すっかり熱も下がって学校に行く準備をする。

「優里伽!大丈夫か?」


パパが心配そうに、私を見る。

「大丈夫!」


そして、机の上を見た私はびっくりした。

いつものように、パンはあるんだけど…。

それプラス、スープにポテトサラダとスクランブルエッグが並んである!

「どう…したの?ママが?」

今まで、有り得なかった光景に驚きを隠せない。

「ママはな?本当は料理が上手いんだよ!優里伽が生まれて、パパも仕事が忙しくてな!ママはな?そんな中、体を壊してね…!」


ママが料理が上手い?

ちょっと、パパ疑うよ…!

「しばらく、お手伝いさんを、頼んだんだ。ほらっ!食べてみなさい?」

ママは、照れながらまともに、私を見ない!

「サボり過ぎたからなっ?」

パパはママをかばう。

私は早速、スープを味わいながら飲む。

ブロッコリーとハムがコンソメに染みていて、美味しい!

ポテトサラダが甘くて濃厚!

スクランブルエッグも…何もかけないでもイケてる!


「美味しいよ…!!」


ママは料理が出来たんだ!

「優里伽が、倒れて気づいたの!ママ優里伽に、母親らしい事してないって!ごめんね…!!」

パパは私たちの喧嘩を、思春期の反抗期だと思ったみたいで?満足げに、微笑んだ。

そして。

「美味しくなかったら、残していいから!」

真新しい、お弁当箱を私に差し出した。

思わず吹きだす。

こんなママの顔見た事ないよ!
恥ずかしながら、下を向いたまま、お弁当箱だけはちゃんと、握りしめて差し出したまま。


「…してあげる!」


「えっ!?」


「「許してあげる!」」


洗い流すよ…!!

全て、彼氏の事も…!?

そして、初めてのお弁当箱を、ママの腕から取った。


ママは…ちょっとやせたかも、しんない。