たどり着く場所は、やはりママのいる家。

リビングに入ると、ちょっと機嫌悪そうなママが、ソファーにいた。


「優里伽!この頃、帰りが遅いじゃない!」


ママの声が、遠くに聞こえる。

熱いよ…!!


クラクラする。


『バタンッ!』


「優里伽…!?」


―――――?


シュンさん?


マジックで、私の大切なものを一瞬で、消してよ…?


家も、お金も、ママも…。


いらないよ!


―――――――ねぇ?


「優里伽…!?起きた?」


気がついたら、ベッドの中。


窓から眩しい太陽の光。


ゆっくりと時計に目を移すと、11時を指していた。


ママが横で心配な顔をしながら

「熱が凄かったのよ!優里伽…。」


あぁ〜。

倒れ込んだんだ、私。

「今日はまだ、ゆっくり休んで!」


そう言うと、ママはおにぎりを机の上に置いた。