私も…分からないんだけど!

ガラガラの音の後に付いていく足。


そして、急に振り返って!


「付いて来るなよ!」


「だって、約束してくれないじゃないですか?」


私も…ちょっとキレ気味!


小さな路地に入った時。


無理やり、私の腕を引っ張って道の端っこに私を引き寄せた。
驚いた私の表情も、見ないで


「見せてやるよ!」


性格悪い…!

そんな言い方ある?

だけど…目が突然真剣になったのが、分かった。


コートから、ライターを取り出して…。


「火から目をそらさないで!」

黙ったまま、首を縦に振る。

この、至近距離…ちょっとドキドキしながら。


「ワン・ツー・スリー!」


指の『パチン♪』いう音が鳴ると、炎が彼の指に移動した!


指の上で、炎が燃えてる?


「きゃっ!あり得ないんだけどっ〜!!!」


そして、静かにその炎は指とともに、ライターの上に戻っていく。


「はいっ!終わり!チップはいらないから、早く帰りな!」


私はまだ、今の光景が頭の中に渦巻いていて、立ち往生!


「また、会え…ますか?」


寒さなんて、気にならなくて、私は完全に彼に魅了されていた。


「そんなの分からねーよ!」