｢いや…何でもない。｣


｢あ…そう。｣


蓮があることを聞いてきた。


｢希未は、好きな奴いねーの?｣


…。


あたしは悩んだ。


悩んだ理由は…





蓮…。


今気付いたら、最近ずっと蓮の事ばっかり考えている。


あたしは口を開いた。


｢ちょっと気になってる人なら居るかも。｣


あ、返事になってないか。

｢まじで!俺は居るけど♪｣


…まじですか。


｢まじ!どんなひと!?｣


｢秘密。｣


｢えー、ケチ。｣


｢その人に告白したら、教えてやるよ♪｣


｢おっけ!待ってる、｣


｢…何で人って人を好きになんのかな。｣


｢え?｣


蓮が真剣な顔で、聞いてきた。


｢何でだろう…?｣


あたしも真剣に考えた。


そんなあたしに、蓮は…


｢ありがと。｣


小さな声で呟いた。


｢ん?何で?｣


｢そんな真剣に考えてくれたの、希未が初めてだから。嬉しかった。｣


｢そっか。｣


その時の蓮の表情は、笑っているけど、少し悲しそうな顔をしてた。


……。


言葉が出なくなった。