「薫君なんて知らない!」 黙っていた女は捨て台詞を吐くと泣きながら教室を出ていった。 告白を断る為に私とこんなことをしてるんだからもう解放されるはず。 …なのに男は女に目もくれずそのまま私を押し倒した。 もしかして、もしかしなくても…ピンチ? 「名前、何?」 器用に服を脱がしながら体中にキスを降らしている男が言った。 今更かよと思うが頭が働かない。 「北島…み、つき」 変な声が出ないようにしながら答えた。 訊いたところでどうせその場かぎりの関係の癖に。 イケメンは軽いのが多い。