涼介に対して行動の変化は感じなかったが 異変は見た目に表れてきた。
顔や体のあちこちに かさぶたのような 斑点が出来ている。
心配して問いかけると 「ポンかすや」 と言う。
「最近 入ってくるネタが良くないし こんなデキモンが出るねん」と簡単に言うが その様は酷く 本気で覚醒剤をやめて欲しいと願う。
けれど私は それを口に出したりはしない。

周りの人間は “本当に涼介が好きなら薬を止めさせるべきだ” と言う。

正論だとは思うが 私の中では その言葉がとても理解し難い言葉だった。
何故なら そんなことが出来るなら とうの昔にしているからだ。
誰だって愛する人間が薬に手をだしていて尋常でいられるわけがない。
けれど涼介にとっての覚醒剤という存在は ご飯を食べること、眠ること、セックスをすることなどと同じ次元なのだ。


涼介が覚醒剤をやめる時、それは死ぬ時がパクられる時の二つに一つしかないのだろうと思う。