翌朝 私達は涼介の仕事鞄と簡単に詰めた荷物を持ち 部屋を出た。

「ちょっと重いけどナツが鞄 持って。
もし警察とかいても お前だけは ちゃんと大丈夫なようにするから。
荷物ごと お前だけ帰らすしな」


二つの鞄を持ちエレベーターに乗り込む。
涼介の父親の車だという日産のシーマに乗り、
私達は涼介の実家へと車を走らせた。


良かった、今のところ警察らしき人も車も 見当たらない。


車の中から 私は店のチーママの美沙に電話をかける。

「もしもし、美沙?
ごめんな!寝てた?
あんな…涼介の叔父さんが亡くなってな、涼介の実家に私も行くし
悪いけど 今日 休ましてくれる?」


「はい、わかりました~。
また何かあったら電話しますね!」


美沙がしっかりした子で良かった。
本当に私は周りの人に助けてもらってばっかりだ。