「どれだけ……どれだけ俺が…心配したと思っているんだよ……。」


肩を震わせながら、弱々しく呟いた。



いつもの執事口調ではなかったのは、抑えきれない想いが募っていたからなのだろう。



こんなに自分のことを気にかけてくれる坂上を愛おしく思った。




だが、同時に二年前の光景が思い出される。




だめ…。これ以上坂上と一緒にいてはいけない

もう誰も傷つけたくない。


私はいつも側にいる人を傷つけてしまうのだ。

お母様


お兄様


元執事の葛城



急に激しい眩暈に襲われ、愛梨は後ろに倒れこんでしまった。