「葛城様、お嬢様は取り乱しておりますので、今日はこれで失礼させて頂きます。」



足元のふらつく愛梨の肩を抱きかかえるようにして、坂上は愛梨を車に乗せた。




愛梨はただひたすら揺れる車の中で泣いていた。



坂上は声をかけようにも言葉が浮かばず、愛梨の泣き声に胸が締め付けられた。



丁度街道にさしかかった時、愛梨が急に口を開いた。