あたしが悪戦苦闘してる間、
チラチラと正樹の顔が見えた。
チラッとしか視界に入ってないのに、
だんだん眉間に皺がよっていくのが見える。
しょーがないじゃん。
だって取れないんだもん!!
「だー、もう。
手どけ。俺がやった方が早い」
しっしっと手を払われ、
正樹の手が髪に触れた。
それと同時に近づく顔。
「ちょっと! 近いよ!!」
「はぁ? 何意識してんの。
近づかなきゃ見えねーじゃん」
「大人しくしてろよ」そう小さく呟いた声。
低くもなく、高くもない声。
そんな正樹の甘い声に、
ドキッと大きく胸がなった。
身長が一緒ぐらいだから、
ほんとに顔が横にある。
黙ってもくもく外しに掛かってる正樹。
肌キレー。
ニキビとかないー。
まつげ長ーい。
じっと正樹を観察してると、
目だけをきょろっとあたしに合わせ、
少しだけ頬を赤らめながら
「んな見んな。バカ」

