あたしはその光景を、
なんだか他人になったように見てしまう。
へぇ、そう思ってたんだぁ。
気づいたら、気持ちがなくなった。
もしかすると元からなかったのかも。
なんてことも冷静に考えてしまう。
食べ物も喉を通らないとか、
夜も眠れないとか、
胸が苦しくてしかたない、とか。
そんなこと本当にあるの?って、
いつもいつも思う。
“甘い恋”なんて嘘でしょ?
恋に甘いなんてない。
味があるのがおかしいし、
だって食べ物じゃないじゃない。
ふんっとした様子で、
髪をなびかせ振り向き、教室に帰ろうとした。
そのとき。
「いったーい!!」
髪、というより、
頭皮にありえないほどの激痛。

