願っても願っても、想いは届かない。



だったら届かなくていい。



目が愛を捕らえて離さないなら、
ずっと捕らえられててもいい。



報われない恋?



ふん、上等だ。



「優ー、どこー?」




どこからか愛の声がして、
そっと目を開けた。


きょろきょろ周りを見渡して、
俺の姿を見つけたら走ってきた。




「ねーぇ、優ー。
サボってないで一緒に戻ろー」


「要と戻ったらー?」


「要君もういっちゃった」



上から見下ろしてくる愛を見つめて、
上半身だけ起き上がらせた。



「はいはい。一緒に戻るのが、
要クンじゃなくてごめんねー」



「何いってんのよっ!」




俺は愛が好きだ。


「じゃ、早く行こ。
山チャンに見つかっちゃうよ」



だから愛の恋を



「るっせーな、わかってるっつの」



応援する。



END