急いで声をかけるも、
ありえないスピードで走ってった愛。



チッめんどくせー・・・・・



え? 何を頼まれたかって?


それはかなり簡単なことで、
愛にとってはすごく難しいことだ。




サボってベンチに腰掛けていた尻を、
重そうに持ち上げる。


立ち上がった瞬間、
捲くっていた体操服のズボンの裾がずれたのが分かった。





大きく息を吸い、



「要ーっ!」



と、大きな声であいつを呼ぶ。



すると、俯いていた1つの顔が
ゆっくりと上がった。



「なに? どうかした?」



小走りで近寄ってきたコイツは、


要純一郎。




走ってくる振動でふわふわ揺れる髪も、

くりっとしてる黒目がちな目も、

モテる雰囲気を体全体から出してるような奴。



簡単に言えばアイドル顔。


性格も温厚で、
誰にでも好かれるような奴だ。