あたしの手から箱を取り、
箱から指輪を抜き取るとそれをそっと


あたしの右手の薬指にはめた。





「これ買うためにバイトしてた。
でもなんかバレんのとかハズイし、
隠してたのに愛が勝手についてきて焦ったんだよ。

素っ気無くした方が付いてこないと思ったから、あんな態度でゴメン」




指輪をはめたあたしの右手を
ぎゅっと握ると




「誕生日おめでとう」



優しく微笑んでそう言ってくれた。



収まった涙がまた出てくる。


あたしの事考えてしてくれてたのに、
あたしってサイテーだ・・・・・



「また泣いてんの?」


「優~、ゴメンねぇ~」


「“ゴメン”じゃなくて“ありがとう”だろ」


「うぅ~、ありがとぅぅ~」


「ふっ、おもれー顔」




笑う優を睨むと、
優がもっと笑ったからあたしも笑った。



誕生日にはまだ少しだけ早いけど、
あたしはずっと忘れないプレゼントを貰ったのだ。



「悪かったな」


「? なにが」


「色々心配させて」