「した・・・・・」



お母さんの顔を見て、
なんだかとっても悪い事をしてる気持ちになった。



本当はもう風邪なんて引いてないのに・・・・





「愛、どうかしたの?」



「・・・・・何が?」


「雨の中から帰ってきた日以来、
なんかおかしいわよ」




胸がドキッとなった。



図星だし、なんでわかんの・・・・・




なんかどうしていいかわからなくて、
お母さんに背中を向けてまた布団を被る。




「別に、しんどいし」


「そーぉ? でも辛いことがあったら何でも言いなさいね」




それだけ言ってお母さんは部屋から出て行った。


なんだか泣きそうになった。



うちのお母さんって、そういうことに気が付かない人だと思ってた。




鈍感だし・・・・・・


あ。あたしってお母さんに似たんだ。



しばらくすると、
お母さんが仕事に行くから。と
下から大声で言って仕事へ出かけていった。