いっ、いくらでも!?
「いいいや!! いいよ!
いらないっ、じゃなくてっ!」
「何焦ってんだよ」
くいっとあごを上に上げられ、
優の顔が近くにある。
優にあと少し顔を突き出されたら、
すぐにでもキスが出来てしまう状態。
なんで、こんな状態にーッ!
持っていた苺クッションを、
力のかぎり抱きしめた。
「逃げねぇの?」
小さく囁くように呟く優。
声がすぐ近くで聞こえて、
心臓が暴れまくってる。
「・・・・・逃げて欲しい?」
顔を少し下に下げて、
目線だけを優に合わせた。
こんな駆け引きみたいなこと、
全く得意じゃない。
本音を言えば、キスして欲しかった。
でもそのまま言うほど素直になれなくて、
それを言えるほどの自信もなかった。