「んー。甘いの無理だったような・・・気がするぞ?」



コンビニのお菓子コーナー。



その隣に備え付けられてる

“バレンタインコーナー”。


眉間にしわを寄せながら選ぶのはもちろん優のチョコ。



あの時投げちゃったから、
明日渡せないじゃん。




と、コンビニに行く途中で気付いたあたしは即席で用意するつもりなのだ。




やっとの事で決めたチョコを持って、
雑誌コーナーに行こうとした足をある場所で止めた。



目に留まったもの。



それは小さい頃よく食べた、
ちいさな四角いチョコレートだった。



これぐらいだったら、
正樹くんにあげてもいいかな・・・・



心に芽生えた小さな気持ち。



毎年あげてたから、今年もあげよう。



ついこの間までだったら、
普通に手にとってレジへ行ってた。



でもなぁ・・・・・・・



散々迷った挙句、
そのチョコを手に取り、



雑誌を買わずにレジへと向かった。