そっと顔を上げると、
あたしをじっと見つめる千夏と目が合った。
「それに、愛をよっぽど信用してないと
そんなこと出来ないと思う」
イマイチ千夏の考えが理解できず、
首をかしげて考える。
「だってあたしならそんなことしないし、
自分の彼氏を好きな人になんか絶対会わせないもん」
「それは、愛の『好き』。
人それぞれ、『好き』が違うんだよ」
「違う?」
「愛も、小倉君も。あたしだって違うよ。
あたしさ、かっこいい人が好きだったでしょ」
「うん」
「でも、見かけじゃない。
あたしの『好き』はこれじゃない!
中身だ! って思ったの」
「佐野君に会って?」
「せーかい。だから気にすることなんてないよ」
にっこり笑う千夏。
確かに佐野君は明るくて、人気者で、
モテる要素は持ってる人だと思う。
でも、そこまでかっこいいって訳じゃない。
違う『好き』か・・・・・・
抱えた膝をじっと見つめていると
「愛も正樹の『好き』を知った以上、
うやむやにしたままじゃ駄目だよ」

