「もーぅ、ぐちゃぐちゃ」


「まぁ、食べれなくもないんじゃない?」


「そういう問題じゃないよ!
ちょっと愛!・・・・・・どうしたの?」



眉間にしわを寄せている千夏を見て、
何故だか優の事を思い出してしまった。


だからかな?





やっと止まった涙が、
また目に溜まってしまったのは。





「ちょ、どうしたの?
やだ。泣かないで! ちょと言いすぎだよね? ごめんね?」



あたふたして、あたしを泣き止まそうと必死に謝ってきてる。



佐野君はびっくりして、
心配そうな顔であたしを見ている。



「ははっ・・・そんなことで泣かないよ」


「え? ほんとどうしたの?」



無理に笑って、何か理由を考えた。




「目にゴミが入って」とか、
「目が乾燥して」とか、そんな理由でいい。




涙の理由をあたしなりに必死で考えた。


2人に、こんな事知られたくないから。
でも、理由なんて何でもいいはずなのに、何も言えなかった。



今口を開いたら涙が零れそうな気がしたから。



「ってゆうか、優は?
今日アイツも一緒だったんじゃねーの?」