千夏が今日の帰り際に、


「あたしの変わりに、
駅向かいの“アロリ”ってケーキ屋でケーキ取ってきて!」



とのことなのです。



優は場所がわからないあたしの為に付いてきてくれてる。




軽く走って、優に追いついた。




「優、歩くの早いよー」


「愛が勝手に店とか見てるから、追いてっちゃうの」



ぷーッと顔を膨らませながら、
横目で優を見つめる。




「いいじゃん、ちょっと位。
待ってくれてもいいのに~」



「あのな? “わざわざ”付いてきてやってんだから、多少の事は俺に合わせろよ」




逆に横目で見下ろされて、
そっぽを向いて口笛を吹くまねをした。



まぁ、ほんとに吹けないんだけど・・・




場所がわからないあたしの為に
“わざわざ”付いてきてもらってるんだから
細かいことはいえないなぁ~・・・・・



バレないように隣を歩いている優の横顔を見つめる。





ほんとのこと言うと、もっとゆっくり歩いて。



もっと、ゆっくり過ごしたい。