「もーう。忘れないでよっ
あたしに買い物誘われてよかったね~♪」
ほんとだよ!!
“映画だったら、佐野君と行ってよ・・・・”
とか秘かに思ってゴメンネ!
右手で口を押さえながら千夏を見る。
あぁ、なんだか女神様に見えるよ~
乙女失格を防いでくれてありがとう。
「よし! では、いざ出発!!」
「アイアイサー!!」
ノリノリで人ごみに入っていく千夏のあとを、あたしもノリノリで入っていく。
こうなったら、
どんなものよりいいチョコを手に入れるのだ!
愛する彼氏の為に!!
たとえ手に取ったチョコをひったくられても!
背が小さくて押しつぶされようとも!
足をヒールで踏まれようとも・・・・・・・
「も、無理だ・・・・・・・」
選ぶどころかやっと手にしたチョコを片手に、流されるように人ごみから抜け出した。
少し離れた所にあるベンチを発見し、
倒れこむようにして座った。
なんなんだ、あれは・・・・・
戦場だ・・・・平成の戦場だ・・・・・・
しばらく人ごみを眺めていると、
あたしと同じように千夏が出てきた。
というか、押し出されてた。

