“言ってくれるまで、動かない”
攻撃に出たあたしは強いんだから!!


小さいときにこれでおもちゃとか、
買ってもらったんだから!



目線を下へと移し、
ブーツのつま先をじっと見つめる。


「はぁぁあぁぁ・・・・」


優の大きな溜息。すると、



「うぎゃっ!!」


手を思いっきり引かれて、前のめりになる。


顔を上げるとあたしの左頬に優の髪が触れる。



「これで最後だからな・・・」


左耳に聞こえる声と、
吐息があたしの心臓を大きく動かした。


「おまえが好きっつってんの」


それだけ言うと、


「2回も言わせんなバーカ!!」


くるりと向きを代え、また歩き出す優。


見えちゃった、優の顔。
見たことないくらい真っ赤だった。



あたしだって負けないくらい真っ赤だろうけど、

嬉しい言葉と赤い顔。


嬉しすぎて、飛び上がりたくなる。

いつの間にか付いている
ツリーのイルミネーション。


これはきっと、
サンタからのプレゼント。





輝くツリーの上の空から、
鈴の音が聞こえたような気がした。