季節は冬。



あのアホみたいな終わり方をした
文化祭からもう2ヶ月がたとうとしていた。



街はクリスマス一色。



「あーぁ、だめだこりゃ」



“クリスマス特集”と、
でかでかと書かれている雑誌を見ながら
溜息をしたのは千夏。




「なにがだめなの?」




チョコ菓子を食べながら、
千夏の雑誌を見ようと身を乗り出す。



クリスマス特集なんて、
彼氏いないあたし達には悲しいだけじゃん?




「ちょっ、ストップ! 見ないで!!」



「えー? なんでよ」



サッとあたしから雑誌を遠ざけて、
頭の上でそれをくるくる丸めてる。



なんで隠すのよ?

だいたい、見られたくなかったら
ここで読まないでよねー




「彼氏でも出来ちゃったー?」



数が少なくなってきたチョコ菓子の袋を覗いて、手を突っ込みながら適当に言ってみた。