ぽそりと呟いたあたしの
小さな小さな声は、静かな空き教室に虚しく響く。



泣きたくなんてないのに、
目からは涙がどんどん溢れてくる。



何度も何度もぬぐっても、
何度も何度も頬をつたう。




心境の変化には気付いていたけど、
“好き”という事には気付いていなかった。



何で好きになっちゃったの?

何で気付いちゃったの?



馬鹿だなぁ。
この想いに気付いたって自分が泣くだけじゃない。



どうして・・・・・・




どうして気付いちゃったのよ・・・・・・




窓の外からは、文化祭の準備をする人の声。


空き教室にはその声と、
消えちゃうぐらいのあたしの泣き声が響いていた。