ドキドキしない。
ドキドキどころか、笑顔に癒されて逆に落ち着く。
きっとあたしは、要君を好きじゃない。
じゃあ、あたしが好きなのは・・・
「あれ? 優は?」
ついさっきまで廊下にいたはずの優が、いない。
近くにいた木村君が、
「なんか、いきなり走って出てったけど?」
えぇ~・・・・・
タイミング悪ッ!
「小倉に何か用だった?」
「ううん。なんでもない!」
木村君に背中を向けて走り出す。
どこ?どこ?どこ?
胸がドキドキする。
優を探してるだけで、胸がドキドキするよ。
走ってるからじゃない。
あたしはきっと・・・・・・
「あ! ゆ・・・う・・・・」
大きく名前を呼ぶつもりだった。
でも目に映った光景を見て、言葉を失った。

