前に座ってたのに、あたしの横に移動してきた。




あいかわわず、みんなは準備で忙しく、小声で話したら誰にも話を聞かれることはないだろう。



「あたしは、要君が好きなんだよね?」


「何でそんなこと聞くの?」


「だって、ずっと前から
頭から優の事が離れないの・・・・・・」



今も、頭の中は優でいっぱい。

すぐ目の前には大好きな要君がいるのに、
目が廊下に出て大道具の仕事をしてる優を追ってしまう。



「あたしおかしいよね? 要君が好きなのに、優の事ばっかり考えてるなんて・・・・・・」



気が多い人みたい。


そう言おうと思ったとき



「愛は本当に要君が好きなの?」


「・・・・え?」



「愛はさ? 要君が好きなのに小倉君が気になってしょうがないんでしょ?」



「うん・・・・・・」



「それで、小倉君と波ちゃんが仲良くしてると、気持ちが落ち着かない」



「・・・・・・・ぅん」


だんだん声が小さくなるあたし。

だってなんかほんとにそうなんだもん。

正確にイタイとこついてくる。
ツボ師並にイタイとこついてくる・・・



あぁ、あたし頭狂った・・・