7月27日午後7時27分、テレビブリタニア内最大のスタジオ、ペンドラゴンスタジオを舞台に戦いが始まろうとしていた。
ステージに立つ私サンドリヨンは実家ローゼン男爵家の力を使いこの戦いの司会進行を担当するの。
観客席にはプリシッラと十二宮の一角、ゲヴェールの戦いを観戦しようと多くの観客が来ている。この戦いは全世界ネットだからロスやトスカーナでも、アリス・スプリングスでもそして名古屋でもリアルタイムで見れる。(時差はあるけどね)
「この戦いは前評判だとゲベールが勝って当たり前と言われてるんだけど。兄様。」
「そうだね~、勝負は何があるかわからんから一概には言えないよ。」
って、え~!?来てたのアンタら!?つか何その会話?私のすぐ前の観客席で親戚(年がかなり近い甥と姪だけどね)のヘンゼルとグレーテルがそんな会話をしていた。
突然グレ子(グレーテル)が翠色の可愛い左目でまばたきしてで私に頑張ってね、姉様と応援してくれた。私は軽くうなずき返事をしたらヘンゼルがニコッと笑い親指を立ててシッカリな!のポーズを。アレ?ヘンゼルもグレ子も観戦っつーより私の応援に来てくれたの?来てくれたのは嬉しいけど司会の応援ってのもアレなんだけど。
そうこうしてたらプリシッラが大和撫子を思わせる雰囲気で入場してきた。透き通るような紅い眼(ヴァンパイアじゃなくてヴァンパイアのクォーターなのに。妹とちゆりと同じ透き通るような紅い眼、純粋なヴァンパイアで上級種の私みたいに透き通るような紅い眼)を輝かせ長い銀髪をなびかせ(ちゆりはプリシッラみたいに腰までとどく長い銀髪だったけどその銀髪は今は肩までの長さ)、藍色のベストに同じ色のロングスカートに赤茶色のタイとキチッとした服装だった。おかしいことに唐沢兄妹は長女次女はいつもキチッとした服装(次女のちゆりはプリシッラの服のスカートをズボンにしただけで、ベストもスカートも藍色でタイは赤)なのに兄は襟の立った黒い服に同じ色のズボンと兄と妹では好みは二分さるいるのだ。香田は兄妹で服の好みはバラバラなのに。
誰もがプリシッラの清楚で可憐、そして無垢な姿に憧れや惚れた!なんてまなざしで溜め息漏らしてるけど兄のメッサーさんはギラギラした眼でそんな連中を威圧してる・・・気がする。この人アレだけどシスコンの噂もあるしね。