私の小さな宝物

「なんだよ、泣くなよ沙耶。」


私の涙に気付いてそれを親指で拭うと、和生は優しく微笑んだ。



「沙耶。これからは、沙耶一人の身体じゃないから。大事な俺達の赤ちゃん、頼むぞ?産まれてくるまでは、俺は沙耶の代わりに育ててあげる事は出来ないから。
その変わり、妊娠中はいっぱい我が儘言っても許すから。」



そう言って、優しく、ただ触れるだけのキスをした。

そこには、いやらしさは全くなく、ただ和生の愛情だけが沢山伝わってきた。



そうして、また私は温かい気持ちでいっぱいになる。

身体中が幸せな気持ちで満たされる。