私の小さな宝物

そのまま食べ始めようとした和生を慌てて止めた。

「あ!待って!乾杯が先!」


「乾杯?今日って……何か記念日だったっけ?」


首を傾げて考えている。


ふふ。
和生はまだ知らないけど、大事な大事な記念日になるんだよ。


そう思いながら、二人のグラスにワインを注ぐ。


「はい、持って♪」


腑に落ちない顔をした和生にグラスを持つ様に促す。


「乾杯♪」


カチン!!

グラスのいい音が響いた。