『はぁ…ほんとに出てきっちゃった』



空は茜色に染まっている


ーこれからどうすればいいんだろう


「グウぅ」


『やだ、お腹鳴っちゃったじゃない。今更戻る気もないし、マロさんがいたらなぁ』



わたし、マロさんに頼りっぱなしね




『はぁ…』


『お嬢さん。ため息ばかりだと幸せが逃げちゃいますよ』



ーえっ?


『この声…!』


わたしは声がしたほうへ急いで振り向いた。



『はーい。お久しぶりですね。私のこと覚えていますか?エルダさん』



ーああ。信じられない


ヒナリ、カブーロ見つけたわよ。

すぐ目の前にいるわ、ちゃんと…



アリの王様がね