「私も、来夏といると楽。来夏、ちょっとバカだから会話に困るときあるけど。」

「何?バカって!」

「ん、ちょっとね、」


私は、来夏に群がる女の子たちと、同じだと思われたくなかった。

私は違う、と信じたかった。


来夏に『好き』だと言った時点で、もう手遅れなのかもしれないけど、あがきたかった。



『好き』だと言って、『ごめん』と言われた。

私は笑いたくもないのに笑って、

『私、告白してダメだったら、すぐ好きじゃなくなっちゃうんだ。
だから、明日からまた普通にしてよ。』

って言った。

そんな軽い想いなんかじゃなかったけど、それをわかってもらおうとは思わなかった。

今も、わかってもらおうとは思わない。

まるで、なかったかのように。

そうするだけ。


けど、それでも胸は痛んで、来夏の言葉は特別に感じる。


「先輩たち付き合っちゃえばいーのに。」


その言葉に何も言わず、来夏は笑った。

私も笑った。

何も言わずに、来夏のように。