「茉莉恵ってホント軽いよね」 カラオケまで歩く途中、彩紗が私に耳打ちをして来た。 「それにいきなり密室だよ!」 男の子とカラオケなんて行ったことのない私は、 内心緊張していたけれど明るく彩紗に耳打ち返した。 「あの二人ってなんもないよね?」 彩紗がそう言うのも無理はないと思うくらい、 友哉の右腕は茉莉恵の腰に回ったままだった。