「くっ…ひっく……グスッ…嘘……」

アタシは椅子からベッドに移り、泣きじゃくるミヨちゃんの肩を抱く。

「なんで…ユキさんなんでそんな酷い…ひっく…嘘、つくんですかぁ…」

アタシは確信する。

ああ、やはりこの子には見えてしまっていたのだ。

自分に何一つ報せることなく逝ってしまった、最愛の人が、見えてしまっていたのだ。

「あのね、ミヨちゃん。辛いけど、受け止めなきゃいけないの。アタシだって、受け止めたんだよ」

「だって、だって、マキトは!」

「わかってる、ミヨちゃんの前には現れたんでしょ……」

アタシは、全てをわかった上で、話しているつもりだった。

「ぐすっ…なんで、ユキさん知ってるん…会ったんですか?」

「ううん、でも、わかったのよ。もしかして、マキトが見えてるんじゃないかな、って」

ミヨちゃんが、寂しさや後悔や怒りや、いろんな感情に行き場を与えたくて創り上げてしまったマキト。