『ミヨには俺のことは忘れて生きてほしい。急にいなくなったバカなオトコでいいんだ』

ユキさんが呟きました。

『俺、死ぬんだってさ』

『ミヨには言うな、言ったら化けて出てやる』

『俺はこれからミヨとの繋がりを切って消える』

『まあ、ミヨが新しい男つれてきたらそれとなく言ってもいいか』

ユキさんは次々と呟きます。

「これ、全部あの日マキトが私に言った言葉ね」

ユキさんは流れる涙をぬぐおうともせず、私を見つめます。

「そんで、あと一個、元カノのアタシに向かって言ったのよ」

下に視線を落とし、もう一度私に向き直るユキさん。

『ミヨを、頼む』って。