「……私そんなに天然っぽかったです?」

そう言うとユキさんはグラス片手にケラケラと笑っています。

「なに、アタシの逆って天然なの?いや、ミヨちゃんおもしろい!」

「だって、しっかりしたユキさんの反対は天然じゃないですか?」

「まあ、そう見えたね」

私は立ち上がってユキさんをポカポカと叩いてやりました。

そのついでに手に持った空のグラスを奪ってキッチンに行き、ジュースを再びついで持ってきます。

「でも、なんかいろいろ信じられないですね」

「ふむ、どのへんが?」

ユキさんは顎に手をあてて大げさに考えるようなポーズを取ります。

「一番はほら、マキトがしっかりしてた、ってとこです」

「アタシとしては、ミヨちゃんと付き合ってからのマキトの堕落っぷりのほうが信じられなかったよ」