「オッケー、じゃあ今日はここまでね」

そう言うとアタシはマイクをスタンドに戻し、みんなに向き直る。

バンドのメンバーはそれぞれの楽器をしまいこんで、挨拶もそこそこに帰っていく。

高校生は忙しいのだ。

が、中に一人ボンヤリとギターを抱えて座りこんでいるヤツがいる。

帰り支度もせずにアタシの方を見ている。



コイツがアタシの彼氏、マキトだ。