再びの混乱に堕ちそうになったとき、玄関のチャイムが鳴りました。

私は我に返り、急いで玄関へと駆けて行きます。

ドアスコープで一応見て、ユキさんだと確認してからドアを開きました。

「やー、ごめんねこんな遅くに」

「いえ、私もユキさんに聞きたい事、ありますし」

「……そっか、じゃあ、お邪魔します」

「はい……」

ユキさんは部屋に入るとデスクの前にある背もたれのついた椅子に逆向きに座りました。

ちょうど胸の部分に背もたれが当たる形です。

私は奥のベッドに腰掛けて、ユキさんの方を向きます。

「さて、と、何から話そうねー」