「あ、ゴメンねミヨちゃん。寝てた?」

「あ、いえ、大丈夫です」

実際一瞬とは言え眠っていたのでウソですが、そんなことをどうこう言っている場合でもありません。

「ゴメンね、ちょっと昨日のことが気になっちゃってさ」

「昨日の、こと?」

「ミヨちゃんうちの店から飛び出すときにいってたじゃない、マキトに問い詰めてみるとかなんとか」

「あー、多分言ってましたね」

ぼんやりとした記憶の中から、該当する部分をなんとか探り当てて、曖昧に答えます。

「あの時、ミヨちゃん携帯がどうとかも言ってたよね、それで携帯を見て飛び出してった」

「はぁ、そうでした…っけ?」

自分の記憶に自信がない…どうしてかわからないけど、答えることで不安がどんどん大きくなっていく気がしました。