「どうしました?ミヨさん、気分でも悪いですか!?」

いつの間にかこちら側にやってきたソウタロウさんが私の顔を覗きこみます。

私はハッとなって、首をブンブンと振って否定します。

「そうですか……もしそうなら遠慮せずに言ってくださいね」

ソウタロウさんはそう言って自分の席へと戻りました。

私は、隣のテーブルでくつろぐマキトを精一杯(ソウタロウさんにわからないように)睨みつけ、

視界の端に揺れる手を無視しながらナイフとフォークを手に取りました。


そこからは、もうソウタロウさんと何を話したか覚えてもいません。

まさかソウタロウさんの目の前でマキトを怒鳴りつけるわけにもいかず、

ひたすら正面のソウタロウさんだけを見て食事を続けました。