「!?」

ガタン、と音をたて、私は思わず立ち上がってしまいました。

「あ、あの、お客様?」

ちょうどその時、前菜を持ったウェイターがやってきて私の視界をさえぎります。

「あ、すいません」

「いえ、こちらアンティパストの…」

私が腰掛けると、すかさず手に持った皿を私とソウタロウさんの前に置いて、説明します。

「ごゆっくりどうぞ」

そう言って、ウェイターが去った後、私は、ふと隣のテーブルを見ます。

「!?」

今度は辛うじて立ち上がりませんでした。声もなんとか出さずにこらえました。

その代わり、眼球が飛び出すんじゃないかと思うくらい、一瞬目の前の光景に目を見開きました。