ウェイターさんが戻ってきて私達に会釈します。

「お待たせいたしました、こちらへどうぞ」

どうやらなんとか出来たようで、私達は席へと通されます。

席は店の奥の方、店外が見えるガラスとは逆の壁際でしたが、まあ外を見たいわけではないので問題はありません。

隣のテーブルには予約席の札が置いてあり二人分の食器がセッティングされていました。

私達が腰掛けると、先ほどとは違うウェイターがメニューを持ってきたので、もちろん広げます。

給料日前でもない女の一人暮らしですから、まあ異常な値段設定でない限りはオゴリだろうとワリカンだろうとドンとこいですが

さっきと同じで、なんとなく値段は見ないようにして視線を移動させます。

「とりあえず、ええと、この…コースでいいですか?」

「あ、はい」